マイレージ、マイライフ(ジェイソン・ライトマン)
TOHO シネマズ シャンテ
監督・脚本:ジェイソン・ライトマン
脚本:シェルダン・ターナー
主演:ジョージ・クルーニー
撮影:エリック・スティールバーグ
音楽:ロルフ・ケント
原作:ウォルター・キム
製作総指揮:トム・ポロック、ジョー・メジャック、テッド・グリフィン、マイケル・ビューグ
配給:パラマウント
点数=☆☆☆★★★
今まで知らなかったのだけど、ジェイソン・ライトマン監督はカナダ生まれで、モントリオール育ちらしい。
たびたび書いているけど、僕は少ない事前情報で映画観賞に挑むことが多い。
なのでジョージ・クルーニー氏が飛行機で飛びまわるリストラ請負人ということは知っていたけど、そこに新人女性社員が入ってくることで物語が動き出すことに驚かされた。
なので自然と、アナ・ケンドリック嬢演じる彼女のキャラクターにもかなり視線がいった。ここで思い出したのはマーク・ウェブ監督「(500)日のサマー」でズーイ・デシャネル嬢が演じていたサマーだ。
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序盤から、僕にとって身にしみる教訓に溢れた映画だった。
ちなみに僕は乗り物としての飛行機が大嫌いだ。単純に怖い。
幼い頃に一度乗ったが覚えておらず、あとの一度は学生時代に友人たちとアメリカ旅行した時だ。怖かったので酒を飲んで寝ていた。
二度しか乗ったことが無い。なので飛行機やサービスなどのことはよくわからない。
そして、普段からある程度アメリカ映画を観ていたってアメリカ文化に精通できるわけでもないので、序盤は特に細部によくわからないところがあったのは確かだ。
ただそれで映画についていけなくなるというわけでは決してないし、客観的に観ても良い出来だと思うし、観てよかったと思えるタイミングで観れたのでかなり心に沁みる映画だった。
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タイトルはいまだに思い出せないが、何かで読んだ本の一節に書いてあった、こんなことを思い出した。
キヨスクのおばさんの話だ。僕には地味な仕事に見えていたキヨスクのおばさんの仕事は、実は職人芸的な技術がかなり必要とされる仕事だった。
だがIT化が進むと職人芸は変化する。そしてそうなった時にかつての職人芸的な技術が懐古的に思い起こされる。そんなくだりだった気がする。
無論IT化した際には、またそこで新たなIT化にフィットした技術が必要となってくるのであろうという点は補足するけど、つまり日常的に当たり前に接してきていたあの仕事は、決して誰にでも出来る仕事ではない、難しくてやり甲斐のある仕事だったのだ。
それをジョージ・クルーニー氏とアナ・ケンドリック嬢を観ていて思い出した。
キヨスクのおばさんの話は、「人と接する」という意味においても通ずる。
加えて、とにかく今の自分にとって貴重な教訓が散らばっていた。時間の貴重さなんかは特にだ。些細なことでひたすら無駄にしてるからなあ。
ラストとエンドロールの曲も身につまされるものがある。
「失業」がキーワードとなると、お国は違えどケン・ローチ監督の傑作「この自由な世界で」をふと思い出したが、「マイレージ、マイライフ」はあそこまで辛辣ではないものの、同様に胸に突き刺さるものがあった。
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地図に写真を貼り終えた後のジョージ・クルーニー氏の表情が素敵だった。