「風立ちぬ」(宮崎駿監督作品)

ユナイテッドシネマとしまえん

座席位置 前方右寄り

再観賞

T-JOY大泉

座席位置 前方中央


評点・・・☆☆☆☆ ダンゼン優秀!

この映画で始めて、シベリアという食べ物があることを知りました。「どっかに売ってるのかなあ」と思っていたらtwitterで「地域に寄るかもしれないけど、デイリーヤマザキに普通に売ってる」と知りました。近所のスーパーヤマザキに行ったら、あった。34年間生きてきて、始めて食べてみました。美味しかった。オヤジも食べた。オヤジは戦時を経験している。オヤジも始めて食べたらしい。「それ、宮崎駿監督の最新作に出てくるんだよ」と言ったら、「こんな贅沢なもん食べれなかった」と言った。そう言えばこの映画には貧乏人はほとんど出てこない。この時期を描く映画としては珍しいタイプなんじゃないでしょうか。

小林信彦先生は文春の連載にこう書いています。

「若い観客はこれが関東大震災とわかるかどうか。」たしかに。子供向けでもあるはずのジブリアニメとしては、この映画は過剰な説明が少ない。

風立ちぬ」の企画書にはこう書かれています。「異色の作品」。

それは宮崎駿監督にとっての異色作ということです。とのこと。

個人的には宮崎駿監督にとって、とても「美しい」映画だと思いました。モルモット吉田氏もキネ旬クロスレビューでそう評している。

前作「崖の上のポニョ」は、老いてなお増す演出の迫力に圧倒されたけど、正直物語は破綻していたと思う。今回は物語が描けるようになってるのか?それが不安の種でした。その点今回「堀越二郎」と「堀辰雄」を軸にしたのは正解だと思う。

初見時は途中から泣きっぱなしで冷静に観れたもんじゃなかった。久しぶりに封切時に新作を再見するという行為をしようと思ってます。ジブリに投資だ。

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関係ないけど以下の映画が益々気になる。

夢と狂気の王国
http://yumetokyoki.com/

以下はfacebookより公開初日に書いた文を転載。


ユナイテッドシネマとしまえん宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」を観てきました。

日本一有名で人気のある監督の最新作で、インターネット上は感想で溢れかえるに決まってるんですから早く観るに越したことはありません。

観終わった直後は興奮状態でわけわからないことをTwitterでつぶやいてました。

傑作です。コンタクトレンズではなくメガネかけて観に行ったんですが、コンタクトレンズはめてたら途中で外れたんじゃないかっていうくらい泣きました。

特別感想もまとめられません。

理解不能なエネルギーに満ち溢れた荒唐無稽な怪傑作ファンタジー崖の上のポニョ」の次に、こんなピュアなラブストーリーが出てくるとは。しかもラブストーリーだけに終わらないところが凄い。いくつもの映画をいっぺんに観た感じ。

さて、絶対賛否両論分かれるだろう庵野秀明氏の声優起用。

オタクがオタクをオタク的に描いていて、変わり者のオタクが変わり者のオタクの声やってるんだから何も問題無いと思いました。むしろよく庵野秀明氏を思いついたなあと感心するくらい。

追記

宮崎監督本人は8/3のテレビ番組で、「あまりしゃべらないタイプの主人公だから、思い入れたっぷりに語る人より庵野のような存在感がある人が良い」と語っていました。

で、高畑勲監督の新作の予告を観ました。何だかこっちも凄いことになってそうな感じがしました。予告でのインパクトは「風立ちぬ」の4分間予告を超えてます。