いましろたかし著「原発幻魔大戦」
以下、Facebookに書いた文章を加筆して掲載。
過日、いましろたかし著「原発幻魔大戦」「原発幻魔大戦 首相官邸前デモ編」「原発幻魔大戦 日本発狂編」をイッキ読み。
これは「釣り人たちの日常を淡々と描いていた、いましろたかし。だが、3・11以降の政府、メディア、官僚、財界の余りのデタラメぶりにいてもたってもいられなくなってしまい、連載内容を突然、大転換!!」して始まったもので、三巻目が出たところでまとめて読みました。
おもしろい。今後も読み続けようと思います。
「サト―」という実に普通の人物が主人公なんですが、いましろ氏の考えていることをサト―に重ね合わせて読むととても興味深い。
震災後から、様々なメディアの報道を挟み、時系列に進んでいく話なので、思いだす意味でも良かった。
原発以外の点にも触れていて、「脱原発」「反TPP」という立場だけはブレないんですけど、主人公の考えに細かい変化がアリアリと読みとれるのもよくわかる。いましろ氏自身とそれを重ね合わせる。一時期は小沢一郎を信じ、「日刊ゲンダイを読め」と言ってたりしてたのが、政治の変化とともに急に変わったりする。
いましろ本人も脱原発など各種デモに参加しているようで、デモの描き方にも説得力がある。決して「毎度盛り上がってます!」なんて書いてない。オレも参加したデモの時の様子は「ああ、たしかにこうだった」と思い出す
主人公サト―の言うことには「ちょっとトンデモ過ぎやしないか?」という発想も多数ある。サト―=いましろ氏の「予感」は当たるか?興味深い。「予感」が当たれば、このコミックは「予言の書」となる。
最新刊「原発幻魔大戦 日本発狂編」には巻末に、震災後脱原発、反TPPで一貫して主張する金子勝氏の、なぜ原発はなくならないのか?TPPって一体どういうことなのかというインタビューも載ってて、これも読む価値があります。
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