「百円の恋」(武正晴監督)

出演 安藤サクラ 新井浩文

テアトル新宿

座席位置 2列目中央

評点・・・☆☆☆★★★ 上出来の部類

以下、Facebookより転載

この映画は、安藤サクラさん演じる、自堕落な寄生生活をする30過ぎの女性が、100円ショップでバイトしながら自立生活を始めたことがきっかけで、新井浩文氏演じる後がないボクサーと出会い人生が一変していくという物語です。

映画の序盤、安藤サクラさんのブヨブヨしたぜい肉が映る一瞬のショットがあります。それが途中からボクシングを始めるのですが、全く別人のようになっていく。その変身ぶりには、ただただ驚くしかありません。

女優としての安藤サクラさんに注目し始めたのは「愛のむきだし」の頃からですが、優れた作品に出るうちに本当に素晴らしい女優になりました。

映画としてはそれほど新味のあるものではなく、物語もオーソドックスなのですが、散りばめられたユーモア(mixiがどうのこうのとか、弁当漁りに来るオバさんの顛末とか可笑しい)、勢いのある演出、何より女ロッキーといった魅力の安藤サクラさん、バランスの取れた秀作。

負け犬人生の一瞬の煌きを切り取っています。

黒沢清監督の野心作「セブンス・コード」でまさかの柔術を披露していた前田敦子さんを凌ぐ、今年観た中でもっとも優れた戦う女優映画でした。

配給は、「SR サイタマノラッパー」シリーズや「恋の渦」「フラッシュバックメモリーズ3D」、山戸結希監督作品を手がけてきたSPOTTED PRODUCTIONS。