「この国の空」(荒井晴彦監督)

出演 二階堂ふみ長谷川博己工藤夕貴

シネ・リーブル池袋

座席位置 前方中央

評点・・・☆☆☆☆ ダンゼン優秀!


以下、8/16に書いたFacebookの文章を転載


みなさんご存知のように、昨日は日本が戦争に負けた日。

例年この日は千鳥ヶ淵にお参りに行ったりするんですが、今年は「この映画を観よう!」と当初から決めていました。

日本を代表する名脚本家荒井晴彦氏が18年ぶりに監督もつとめた「この国の空」。

素晴らしい映画でした!まるで私が大好きな、成瀬巳喜男の映画がいま蘇ったような。堂々たる名画を思わせる風格。

最近は学校の授業で近現代史をちゃんと教えないのか、日本に原子爆弾が落とされた日すら知らない人もいるらしい。そんな人にも伝わるように作ってる。

荒井晴彦氏というと、左翼だと誤解する友人もいます。まあ今は右翼と左翼の定義も変わったと思うけど(私も、いま何をもって右翼と左翼とするか、よくわからない)、荒井晴彦氏は本人が「自分は左翼じゃない」と否定してるんです。だからその点思想性が前面に出てる映画では決してないと思うので、構えず観てほしい。

脚本は、かなり昔に書いたものらしい。その後書き換えてるかもしれないけど、荒井晴彦氏は「映画芸術」という映画雑誌の編集長をつとめてるので、いまの映画もかなり観てる。
(何度でも言うけど、映画にせよ何にせよ、何でもかんでも「昔はよかった」と言うのは大間違いだし、「昔はこうだった」と比較するのは、さらに大間違い。時代は変化するので、映画も時代によって在り方が変化する。「知っている」それだけでは価値が無い)

だからなのか、この映画も古びずにちゃんといまの時代に通用する出来になってます。説教臭くないところが、また良い。

最後に。二階堂ふみさんは素晴らしい女優!