「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)

出演 役所広司本木雅弘

T-JOY大泉

座席位置 一番後ろの真ん中

評点・・・☆☆★★★ 水準以下だが多少の興味あり

以下、Facebookより抜粋

「映画を原作とかと比較はしない」と普段言ってる私ですが、これはどうしたって岡本喜八のと比較しちゃうよ。
比較したらかわいそうだとは思う。なにせ岡本喜八のは、監督岡本喜八、脚本橋本忍、主演三船敏郎ととんでもなく豪華なメンバーで作られた。
たぶん岡本喜八のを知らないでこっちの原田眞人監督のを観たら、それなりにおもしろいんじゃないだろうか。そういう人には岡本喜八のを観て欲しい。
岡本喜八のと決定的に違う点。
「テロップがない」「岡本喜八のではチラっと映る程度だった昭和天皇を、今回はモックンが演じてる」「描かれてる期間の長さが違う」こんなところか。
「テロップがない」←凄い人数が出てくる群像劇なので、岡本喜八のを観てれば誰が誰だかわかるんだけど、今回のだと、誰が誰だかわからないって人もいるんじゃない?
岡本喜八のではチラっと映る程度だった昭和天皇を、今回はモックンが演じてる」←どうやら原田眞人監督は、「天皇を正しく描きたかった」らしい。ソクーロフ「太陽」に対抗したかったんだろうか。これは山根貞男さんがキネ旬で同じようなこと書いてるけど、だったら天皇が当時「神」だったことを描こうよ。
「描かれてる期間の長さが違う」←今回のこの切り口なら、戦争責任が問えるでしょ。戦争責任を映画で問うのはたしかに難しいと思う。でも戦争終わってもう70年だよ?当時20歳の人が生きてたとしても、もう90歳だよ。もうそんな時代だし、せっかくの機会なんだから、やろうよ。そうすれば戦争で亡くなった方々も報われるよ。
ちなみに原田眞人監督の「日本のいちばん長い日」で腹が立ったことがある。
阿南の自決を美談みたいにして描いてる点である。岡本喜八のは、描いてる期間が短いせいか人物描写も濃厚で、「苦渋の決断」っぽくなってたはずだけど。
とにかく、戦争映画を美談みたいにする映画は大嫌いなんですけど。
この原田眞人監督のほうの「日本のいちばん長い日」を観て、想い出したあるエピソード。
「 突入せよ!あさま山荘事件」を観て、あの若松孝二が「これじゃあ、当時戦った若者たちが報われないじゃないか!」と激怒した。それで、自分であの時代を描いてやると決めた。それまでは死ねないと。最初はプロデュースに周り、長谷川和彦監督に撮らせようとしたが、それが叶わず、自分の別荘でロケして別荘を破壊するほどの根性の入れようで、傑作「実録・連合赤軍」を完成させた。
まあ原田眞人監督はそういう人なので、最初から戦争責任だとか
に興味がないんだろう。じゃあしょうがない。
誰も責任を取らない無責任時代にこういう映画が作られたのは興味深い。