その土曜日、7時58分

原題BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD(直訳すると、死んだ事が悪魔に知られる前に)

監督シドニー・ルメット
脚本ケリー・マスターソン
出演フィリップ・シーモア・ホフマン イーサン・ホーク アルバート・フィニー

ちょっとしたことで重要なネタバレになりそうなので、気を付けて書く。

金、金、金!
ドラッグ、ドラッグ、ドラッグ!
セックス、セックス、セックス!

「この世は醜い世界だぜ!」

いや、凄い傑作。観賞後の良い意味での後味の悪さは、「ミスト」以上かもしれない。後々拡大するとはいえ、何でこんな力作が恵比寿だけでひっそり公開されているのだろうか?

人間の中に潜む、憎悪、欲望、羨望、嫉妬・・・とかそういった感情が悪行に走らせる。けど、その裏側には孤独と、愛したい、愛されたい、救われたいといった純粋な欲求がある。

こういった作品って結構ありそうなんだけど、この映画ってサスペンスとして完成度が高いので、緊張感が凄い。あと人間に潜む悪意の表現が本当に容赦ない。

兄弟(フィリップ・シーモア・ホフマン イーサン・ホーク)が、どうしようもなく短絡的な思考で強盗を企てて、見事にドジるところからスタートするんだけど。

そこから先は、時間軸を操作して様々なことを伝えてくるのだけど。

例えば時間軸を操った作品で、今年【アフタースクール】がヒットして、自分もキャスティングの妙とテンポの良さで好きな作品だけど、【アフタースクール】は最後にメッセージを伝えてきて、「溜めて溜めて出した」という感じなら、全く違う方向のメッセージを伝えてくる【その土曜日、7時58分】は、もう10分に1回の勢いで「連射攻撃」。後半になると更に凄いことに!

で、話が進むに連れて、ドンドンドンドン登場人物たちの内面や思わぬ関係とかが暴かれていく。社会批判まで!本当ビックリ!

終盤フィリップ・シーモア・ホフマンが「あるもの」を目撃するんだけど・・・強烈過ぎるよ・・・・

補足として念のため伝えておくと、この作品R-18指定になってるんですが、別にキビシイ残酷表現があるわけでは決してないです。多分性的表現なんだと思う。今年で言えば【ラスト、コーション】あたりと同様の理由だと思います。
だからご安心を。躊躇うことはありません。セックス観て「まあ、何て汚らわしい!」って人はそんなにいないと思うので。違う?

というか、80歳を超える監督がこんな絶望感に満ちたエネルギッシュな作品を作るとは・・・凄い。どこをとっても全く無駄なシーンが無かった。

↓これが何とも・・・2人ともはまり役過ぎるよ!

まどぎわ通信
映画「その土曜日、7時58分
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