マクドナルド:「名ばかり管理職」で和解

ちょっと気にしていたニュースです。真面目な話は苦手なので、短めで。

 マクドナルド:「名ばかり管理職」で和解、1千万支払いへ

 ハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」店長の高野広志さん(47)が、管理職扱いされて時間外手当を 受け取れないのは違法として、同社に残業代などの支払いを求めた「名ばかり管理職訴訟」は18日、東京高 裁(鈴木健太裁判長)で和解が成立した。会社側は高野さんの主張を全面的に認めた。

 毎日新聞
 http://mainichi.jp/photo/news/20090319k0000m040048000c.html

以前にあるシンポジウムに参加した際に、原告の高野氏が出席されていて、話を聞いた事があります。
実は僕は昔、長時間労働などが原因で文字通り倒れて退職に至った経験があります。ただ僕の場合は、時間外手当等は受け取っていました。

僕が高野氏の話を聞いていて強く印象に残ったのは、「家族のために働いている」という言葉。
そこで聞いた限りでは、高野氏は会社への恨みなどは一切口にせず、苦悩しながら「家族のため」という点から立ち上がったと言います。

僕はそれほど優秀ではなく、むしろ力量不足な点があったとは思っていますが、それでも仕事仲間から必要だと言われていたこともあり、当時家族や友人が気にしてくれていることに一切気付かず、結局押し通しそのまま挫折に至りました。そうなって始めて周囲のことに気付かされたものでした。

高野氏は、気付いてこの決断に至ったことを思うと、僕の人間的未熟さを反省し、高野氏を尊敬しました。

宮崎駿監督が言っていた、「正しいと思うことをやっているからいいんだということではない。自分は何に突き動かされているのか、突き動かしているものは本当にいいものなのか。そういうことを考えていかなければならない」という言葉もあり、自分の鈍さや力不足を恥じたものです。

メディアは逮捕や裁判終了で仕事を終えるので、その後は想像するしかないのですが、当時聞いた話では会社のイメージを傷つけたということも言われたそうです。なので高野氏はこれからも様々な苦労もするのかもしれません。

ただ、その時の講演では休憩時間も一切見る事が出来なかった笑顔が新聞のネット記事で見れたのは、学ばされた側としては凄く嬉しかったです。

少し話が逸れるかもしれませんが、僕の好きな言葉にこういうのがあります。何かあるたび思い出します。

「いくら貧乏くじを引こうが、信じる道を行くほかはない。俺の望みはただひとつ、自分のささやかな人生で出合う事柄に対して、白は白、黒は黒と言い続けて死んでいきたいんだ」島田荘司先生のあの名作です。

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