軍旗はためく下に

名作と言われるこの作品。たしか現在DVDとかになってないはずです。そういうこともあり今まで観てなかったのですが、初めての観賞。なかなか貴重な機会と思い、しばらく行かない間に「名画座宣言」していた銀座シネパトスにて。

銀座シネパトス 名画座宣言
http://www.humax-cinema.co.jp/cinema/special/meigaza/ginza_meigaza.html

軍旗はためく下に

監督:深作欣二
脚本:新藤兼人
撮影:瀬川浩
音楽:林光
編集:浦岡敬一
出演:丹波哲郎 左幸子 藤田弓子 三谷昇 ポール牧 中原早苗 夏八木勲 小林稔侍他
配給:東宝

打ちのめされました・・・凄い作品。聞きしに勝る大傑作!観終わった後街の景色を観たくなりました。二本立てでしたが、これだけにしました。なかなか観る機会に巡り会えない作品だと思うので、月曜日まで上映されているそうなので、未見の方にはオススメしたいです。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]

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去年若松孝二実録・連合赤軍」を観た時に感じたものと似たような感触。仮に今観て目新しい作り方や派手さが無くとも、魅了されてしまう「何か」を感じました。言葉足らずな僕には、エネルギーのような「何か」が作品に充満してるとしか言えません。左幸子演ずる未亡人が砂浜で身をよじるシーンからして凄い。

しかし、僕が深作欣二の作品に興味を持って色々調べて観ていたのは10年も前のことなのに、それ以来一切観ていないのにも関わらず、「あ!この感じ、かつて観た事がある!」と思わせる演出やカメラワークがあるのが凄い。やはり「本物の人」が作った映画を観た時の感触は、きちんと覚えてるわけです。

ちなみに派手さは無いと書きましたが、後半に見応え抜群の場面があります。核心に触れるんで書きませんけど。

「私は人の肉食った」・・・あぁ。

ちなみに藤田弓子がブログに、当時のベッド(布団)シーンについての思い出を書いてました。深作欣二に「とにかく自由にやってみて」と言われて困った小林稔侍に「いつもやっているようにやって下さればいいのよ」と言ったとか。なるほど。


新藤兼人さんに聞いた”
http://www.magazine9.jp/interv/shindo/shindo.php
↑意義のあるお金の使い方が出来るんじゃないか?誰か出してあげなよ。


この映画では「飢え」が重要なテーマとなってるわけです。

終戦記念日前後にあわせて、最近古本屋で見つけたこんな本を読んでました。

子どもたちの8月15日 (岩波新書 新赤版 (956))

子どもたちの8月15日 (岩波新書 新赤版 (956))

多くの著名人が、子供の頃に迎えた終戦の日を思い出し5〜6ページ書いてるんですが、さすがに人肉食べたと書いてる人はいないですが、この本でも多くの人が「食べること」について言及してました。

その中で大林宣彦楳図かずおの2人が、他の人達と文章が違うんですよ、凄い。

特に大林宣彦が担当した箇所は読まされました。さすが!

ちなみに、楳図かずおと僕の父は同い年です。