プリンセスと魔法のキス(ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ)
T-JOY 大泉
原題:The Princess and the Frog アメリカ映画
監督:ジョン・マスカー ロン・クレメンツ
脚本:ロブ・エドワーズ ジョン・マスカー ロン・クレメンツ
声の出演:アニカ・ノニ・ローズ他
音楽:ランディ・ニューマン
製作総指揮:ジョン・ラセター
http://www.disney.co.jp/movies/pkiss/
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ・ジャパン
点数=☆☆☆★★★
観てからだいぶ日が経っている。何を書こうかずっと悩んでそのままだったけど。
でもちょっと書いておこうと思った。
個人的には想定外に素晴らしい映画で、アニメ映画では片淵須直監督の大傑作「マイマイ新子と千年の魔法」に出くわした時くらい嬉しかった。
あまりに嬉しくてクリアファイルを買った。ちょっと僕の歳で使うのは照れ臭いデザインなんだけど。
そう言いつつ使います。
ディズニーファン、またはこの監督たちのファンには待ち遠しかったのかもしれないけど、僕はそういうわけでもなかった。
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映画誌による情報では「手描きアニメーションから撤退したディズニーが、ピクサ―買収によりジョン・ラセター氏がチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任し、
彼の決断により伝統的な製作法が復活。これによりジョン・マスカーとロン・クレメンツ両氏が再度活躍の場を得る」云々とあるけど、自分はよく知らなかった。
とにかく「何で今更こんな話を映画に?」と思いつつ足を運んでみたんだけど、今年、観終わってこんなに多幸感を感じる映画は無い。
実は観た時寝不足気味で、かつ、ある考え事が離れない状態だったけど、作風と物語が放つ優しさに知らぬ間に酔いしれて入り込んでいた。
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タイミングとアイディア、時代性の勝利と言える映画とも言えるけど、僕はある点で感情移入した。
僕の父、そして僕と重ね合わせたのだ。
素直な映画の人間関係図とは少しずれるのだけど、自分の父を重ねたのはこの映画におけるティアナの父で、僕は自分を王子に重ねた。
父は職人系ではないけど働き者でとても自分に優しいという点で共通していて、僕は当然王子ではないけどぐうたらで他力本願という点で共通していた。
実は今年最も自分にとって教訓に溢れた映画だったとも言え、「マイマイ新子と千年の魔法」同様アニメだから子供向けかな、そういった類の先入観は
映画観賞には捨て去るべきだと改めて思わされる秀作だった。