「行動」が暴れ狂う活劇「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」(石井隆)※追記

石井隆監督の「ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う」は、「行動」が映画を支配しています。

竹中直人氏が抱きしめて、佐藤寛子氏が踊り、大竹しのぶ氏が走り、井上晴美が刺す。

これだけでは無いです。とにかく映画の中を、追い詰められた人間たちが常に何か行動しています。

これは活劇として、真に正しいと思います。

人間なんてわからない。真に追い詰められた人間たちの「行動」を追い続けるこの魅力。

そして上述した、この映画ベストシーンと言える、ポン引き殺害シーン。

思い返すと、少しこのシーンが長い。

相手を殺すのに、よくドラマにあるシーンでこういうのがあります。本当に死んだかどうか確認するというもの。

そんなことして、仮に虫の息で生きてたら、やり返されるかもしれないですよね。

だから、確認する必要のないほど、確実にじっくり殺すのです。

関連するシーンである、「男の夢」を「夢」で描いているのも良いです。

女性刑事の描き方に女性愛を感じます。

素晴らしい映画でした。