信さん 炭坑町のセレナーデ(平山秀幸)
信さん 炭坑町のセレナーデ 日本映画
座席位置:最前列中央
監督:平山秀幸
脚本:鄭義信
撮影:町田博
美術:安宅紀史
音楽:安川午朗
配給:ゴールドラッシュ・ピクチャーズ
好感度点数=☆☆☆★★★(上出来の部類)
平山秀幸監督にとって「しゃべれども しゃべれども」「必死剣 鳥刺し」に続く、恋愛映画の魅力もあわせもつ映画、とも思いました。
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に加えて、決して詳しいわけではないのではっきりとは言えないけど、究極の再現映画なのかもしれません。当時を再現しつつ、古き良き頃の日本映画のスタイルまで再現している、のかも。
ちなみに大竹しのぶ氏が公式サイトで「懐かしく忘れていた映画作りを思い出させてくれた貴重な現場」と言ってます。
平山秀幸監督と鄭義信氏コンビによって非常に丁寧に作られていて、厳しさの中に熱い愛も感じられ、何度も心を揺さぶられました。僕はこういう映画にひたすら弱い・・・
リアルな人と人とのつながりの大切さに胸打たれ、同時に過酷な労働なども描かれていてとてもつらく、今の時代にも通じると感じました。
小雪氏のファンにはたまらない映画だと思います。オバちゃんたちにはアレコレ言われても、オトコたちにはモッテモテ。けれど実は彼女自身が帰ってきた理由は・・・
そして本当に脇役に至るまで、人々が魅力的に描かれています。朝鮮人の親子の約束、一見素行の悪そうな光石研氏の本当の素顔・・・
ただ、職人技が行き届き過ぎているためなのかどうなのか、それこそ上記したような、古き良き頃の日本映画を知る世代の人には新鮮さに欠けて物足りない映画になるかも、とは思いました。
僕は好きだけど。
金澤美穂氏は、何となく「天然コケッコー」の頃の夏帆氏を思い出した。
2010/11/30 「信さん 炭坑町のセレナーデ」について追記
時代劇に懐かしさなんて感じないのと同様に、昭和30年代の映画を観ても懐かしさなんて感じるわけがないです。産まれてないんだから。
けれど、「ALWAYS 三丁目の夕日」の裏側を描いているとも言えるこの映画には、ノスタルジーという言葉では割り切れない社会性のようなものを感じます。
地方の街が崩れていく過程を「再現する」この映画に、平山秀幸監督と鄭義信氏のコンビは、今の地方への思いを重ねたんではないでしょうか?
殺人と恋愛をめぐる李相日監督「悪人」が、同時に地方の街の今の風景を切り取っているように。偶然にも同じ地域だ。
ケン・ローチ監督の「この自由な世界で」は、違う国の物語なのに、日本を観てるようでした。
時代と世界はどこかで運命的につながってるのかな、なんて思いました。
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昭和30年代って、何かひきつけるものがあるんでしょうかね?逆に今の時代って、何十年後に興味をもたれて描かれたりするのかな?