平山秀幸を変えた「青春の殺人者」
僕は、リアルタイムで観ることは未だ叶わずだけど、長谷川和彦監督の映画が大好きである。
日本映画の現役バリバリの映画監督の中で、平山秀幸監督は好きな監督の一人である。
その平山氏が数日前の夕刊で、「青春の殺人者」についてて語っていた。もしかするとこれまでにもどこかで語られてきた話もあるかもしれないけれど、面白かった。だいたい以下のようなことが書いてあった。
大学を出ても映画会社の採用がなくて、アルバイト生活をしていた平山青年は、知り合いからゴジさんを紹介される。
面接に行ったら、「お前、運転免許証持ってるか」「はい」。翌日からロケハンの車を運転。
「食べない」「寝ない」「金がなくてもいい」、初めての現場だったんで、そんなものかと思ったけど、後で考えるとムチャクチャでした、とのこと。
スナックの開店場面。で、花輪が無いから、千葉じゅう回って、パチンコ屋さんから黙って拝借。撮影後、きちんと返しに行った。
そのスナックが火事になる場面。消防署には火を出すことを「絶対にダメだ、放火として通報する」と言われる。
しかし煙ならいいと言われたので、実際には中で火を燃やしていたのだけど、外で平山氏らが煙幕をもって走りカモフラージュ。
隠しきれなくなって消防団登場。「監督を出せ」と言われるが、ゴジさんはカメラを回してる。
ふと見ると今村昌平さんが立ってて、「あの人が監督だ」なんて言う。
怒った消防団がみんな今村昌平さんのところへ向かって行ったとさ。
インタビューでは、他にも色々仰ってたけど、これで映画界を去った方もいたけど、平山さんは面白くて、面白くて、全ては映画のため、というエネルギーを感じたそう。逞しいですね。
今はあんな映画作りはできません、と仰ってるから、なら良かった。
そんな平山秀幸監督の最新作「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」、ものすごく楽しみです。
そういえば、三國連太郎氏が米寿とのことで、氏が出演した映画をDVDで観たりしてるんですが、今村昌平さんの「復讐するは我にあり」を今になって観てみると、「悪人」はこの映画を意識してるんだろうなあ、と思う部分に気付きました。何か似てるカットとかが結構あるんですよ。
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