映画って、良いな。
あの日から50日が過ぎたけれど、相変わらず「言葉」というものの難しさを感じています。
4月30日の昼教育テレビで、辺見庸さんがこの震災に関して、言葉について、を中心に語られていました。
観ていて、少しだけ、背中を押された気がしました。
キネマ旬報最新号で川本三郎さんが、震災に関して語られていました。
読んでいて、わかる気がしました。
香川照之さんは、今回休載されていました。
あれから、言葉を発することを躊躇い続けている私も、思うところがありました。
友人が、私が「塔の上のラプンツェル」を絶賛したことがきっかけで、観てくれたらしいです。
嬉しかった。なぜなら、観てくれれば、次に会った時語り合うことができます。
私は、躊躇いも無く言えば、この映画の灯りが舞うシーンを、いま苦しい思いをしている子供たちに、見せてあげたいと思い、涙しました。
この映画については、別に説明の必要は無いでしょうか。
私は告げてきました。
「今こそ、映画の力を信じたい」
前置きが長くなりました。
最近観た映画の感想を書きます。
「ザ・ファイター」
実話らしいです。ボクシングに関わる、家族の映画。
それぞれの個性が良い。惹かれます。特に良いのが、エイミー・アダムス演じる女性とクリスチャン・ベール演じる男性。
・・・けど、最終的に「話せばわかる」みたいなことになってるような。脚色がいまひとつ?
「悲しみのミルク」
どこの国のどんな映画かすら知らずに鑑賞。私は結構そういうことをします。
ペルーの映画。珍しいです。
一言で言えば、テロの傷跡に苦しむ女性が逞しく生きていく物語。
監督が女性、主演も女性と言う事で、女性にこそ観てほしい。ラストが秀逸。ペルーと言う国を充分に垣間見ることもできます。
「こんな風景観たことある」と思った。パレスチナを描いた「パラダイス ナウ」だった。
国も、物語も、違うけれど。
すみません。全く魅力を感じませんでした。終始睡魔との闘い。
「ツーリスト」
ジョニー・デップ様が、パジャマ姿で、屋根から屋根へ、必死に逃げて、結局ハチ合わせたお巡りさんを水の中にどぼーん!
これ読むとオモシロそうでしょ?こんなオモシロそうなシーンはなかなか無い。
しかしこれが不思議なくらい全くオモシロくない。デップ様はコメディもできる御方なので、恐らく監督がよくわかってない。
傑作「善き人のためのソナタ」の監督。単純に向いてなかったか。
とはいえ、主演二人の魅力から生まれる現実離れした豪華さには魅了されます。
「漫才ギャング」
芸人としての品川さんは苦手です。けど、奨められて観ました。
秀作。私同様、芸人品川祐で敬遠してる方にこそ、観てほしいです。
私もそこまで詳しくは無いのですが、かつての低予算良質日本映画が持っていた魅力を兼ね備えた、小品ながらその良さを発揮した娯楽作品です。その中に、蘊蓄や漫才で品川氏ならではの個性をブチこんだ映画です。彼が自覚的にやっているのか、たまたま結果そうなっているのかは、不明ですけど。
少し長尺なこと、石原さとみ氏演じる女性が理想像過ぎる等、ひっかかるところも無いことは無いけれど、久しぶりに日本映画で、素直に「オモシロかったなあ」と一言言いたくなる映画でした。
こういった映画が、今の日本映画に必要なのかも。「漫才ギャング」には、現代の日本映画に必要なものがある・・・気がする。
これに強い社会性だとかが加われれば、一般的にも名作と言われるものが誕生する。
ところでアクションのキレの良さに驚きましたが、誰かが教えたのでしょうか。はたまた研究したのか。
思い出しました。ロバートの秋山氏が出演してますが、昔バイトしていた喫茶店によくお客として来てました。
いっつも何かを書いていた記憶があります。たぶんネタかなにか。
サインを頼んだことがあって、快く書いてくれた。テレビで観るイメージとはまるで違う真面目で口数が少なそうな人でした。
今でもサインはとってあります。
日付変わって、今日は休日の映画の日。
文化が成熟することは、とても大切なことだと思います。
私は、映画を観に行こうと思います。
今日、フットサルをした後に食べたラーメンが、美味しかった。
映画で、涙を流したり笑ったりした後に、劇場を出た時のような、幸福感を感じました。