映画を観た。

あれから1か月が過ぎた。

3月11日、私はあるビルにいた。

ある講習を受けていたのだが中止となった。そのままビルを出たものの携帯電話も繋がらず、仕方なく駅の周囲を歩いていて、ラーメン屋に置いてあったテレビを観て我が目を疑った。

そのまま、近くのテレビの置いてある喫茶店に入った。動揺し、またビルに戻った。

ビルはそのまま指定の避難所となり、私は公衆電話から自宅の状態を確認し、そのまま一夜を過ごすことになった。近くのコンビニはあっという間に品切れとなったので、かろうじて買った小さなカップめんと、支給されたパックの紅茶やウーロン茶、乾パンを口にした。

そして朝まで他の人たちと、NHKのニュースを観ていた。

語る言葉を失った。

言いたいと思ったことも、寸前で言葉にならない。

朝帰る途中、友人から来たメールに、感激した。

それから2日か3日、NHKのニュースを見続けた。

流してはいけないと思いながら、こらえ切れず涙した。

悲しかったし、とても不安だった。

正直な話、映画など観る気も起きなかった。

しばらくして、ipodで音楽を聴いた。聴いたのは、TORO Y MOIの"NEW BEAT"

その歌声に、それまでとは違う涙を流した。ああ、オレは音楽が心底好きなんだなあ。

私が音楽にはまるきっかけともなった、10年前に一緒に音楽やってた友人は、元気にしてるだろうか。忘れ去っていたそんなことも思い出した。

何となく、長大な物語の小説を読み始めた。

そうして、映画を観に行こうと思った。久しぶりに観たのは「英国王のスピーチ」だ。

映画館は、思ったより混んでいた。普段は買わないがサービス券があったので映画館で売っている飲み物も買ってみた。

面白かった。(少しネタバレが入るが)

「まあ王室という立場だから、戦争を率先して止めに行こうとしないのは理解できるが、人前でばっちり話せるようになってほしかったなあ」と思ったが、楽しかった。

あまりに楽しんで、大事なカバンを忘れて帰りそうになった。

ああ、映画良いな。

そして、「トゥルー・グリット」を観た。

コーエン兄弟は特別好きではないのだけど、だからなのか、また違う魅力を発揮していて、私は気に入った。復讐劇として日本映画の「告白」「ヘヴンズストーリー」あたりも思い出す。

なにより良かったのは、少女が既に「やらなければいけない」立場にいることだ。これは前向きに通じると思う。

次に「塔の上のラプンツェル」を観た。

灯りが舞うシーンに、とめどなく涙をこぼした。それは今観たからこそだろう。私の感情は、否定できない。

この映画を観て、改めて思った。

私は、映画の力を信じたい。いや映画に限らなくても良い。

そして、私自身、救われてきた。私のような、冴えない人生も。

思いのまま書いてみました。

また気が向いたら、なにか書きます。

Underneath the Pine

Underneath the Pine