「僕のお父さんは東電の社員です」と「ヒミズ」
今回のブログはどちらも「現代の大人世代と未来の世代」でまとめました。まあ、以下の本と映画には、そんなに繋がりは無いんだけど。
- 作者: 森達也著+毎日小学生新聞編
- 出版社/メーカー: 現代書館
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「僕のお父さんは東電の社員です」を読んだ。実はこの本”お父さんが東京電力の社員だから”云々に書かれているようなイメージを抱いたがそうでもなく、表題よりも副題のほうが本質を伝えている。
副題は「小中学生の白熱議論!3・11と働くことの意味」
毎日小学生新聞に載ったある記事に対して、「東京電力の社員の息子」を名乗る小学生から手紙が届く。
その手紙には「責任は誰にあったのか。みんなにあったんだ。」そして「これからどうすべきか」が書かれている。
それに対して、世代別読者から様々な声が届く。それをまとめて収録してるのが前半部で、後半部は森達也氏の「まとめ」になっている。
読んで、涙が止まらなかった。哀しくてではない。感動して、でもない。
小学生や中学生などの世代の声を読んでいて、申し訳が無かった。
オトナの世代として、小中学生などの未来の世代に対して、ただただ謝りたい。
ぜひ読んでほしい一冊。
帯の文句が素晴らしい「いまこの国の大人たちに子どもたちの声は聞こえてますか」
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映画「ヒミズ」を観た。ユナイテッドシネマとしまえん。
点数・・・☆☆☆☆
この監督が注目を浴びるようになる前から「詩人・園子温」な一面が苦手なのだ。
最近では「愛のむきだし」「ちゃんと伝える」では気にならなかったので、「やっとそういうのが消えたか」と思ってたが、「冷たい熱帯魚」の「ボディを透明にしてやる」にもウソ臭さを感じたし、「恋の罪」の大学ベンチのシーンでは本当に勘弁してくれと思った。
そして映画に過激さを求めていない。映画に限らず、人は過激さを求めれば求めるほど、気付かない間に何かを忘れたり捨てていくから。
で、やっと「ヒミズ」の話。「ネタバレ」入ります。
ざっくり言えば、普通に暮らしたい少年少女が周囲のダメなオトナに未来を壊される、そういう映画。
これは当然言うまでもなく現在と未来の日本の縮図だ。オトナのみなさん、オレも含めて、多かれ少なかれそれぞれに責任があって、罪人なんですよ。
開巻直後、嫌な予感がした。「ああ、またこの手の映画か・・・」
この映画、細かい点では言いたいことが山ほどある。例えば吹越満氏や神楽坂恵氏の存在感の薄さ。ピザ届けるシーンは必要だったのか(あれが強烈に、かつての園子温的)、などなど。宮台真司氏がテレビ画面で語ってるあの感じも苦手。
ただ、少年少女の迫力に気圧された。現代版「青春の殺人者」かな。東京では来週土曜新文芸坐で上映してるから、セットで観てはいかがでしょう。
渡辺哲氏がでんでん氏の下に向かい語るシーンも良い。
ラスト2人は、先の未来を目指して走る。同監督で言えば「愛のむきだし」的だ。
オレはこっちの園子温映画が好きみたいだ。
追記
震災との関係について全く触れなかったけど、その点に関しては「被災地で撮った」くらいのものだと思ってる。その点に関しては
かなり甘い映画かもしれない。そういった批判には概ね同意する。しかし、それでも支持する。
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