「わかってる人たち」が作ってるね「苦役列車」(山下敦弘監督)
T−JOY大泉
評点・・・☆☆☆☆★(ダンゼン優秀!)
- 作者: 西村賢太
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/04/19
- メディア: 文庫
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あの湿っぽい小説がまさかの青春コメディ化。
もう青春映画作らせて、この監督の右に出る者はいないんじゃない?とすら思いました。
どう絶賛しようか悩んだ挙句、ユルイ映画なんでユルく褒めて、自分で思い出してニヤニヤすることにしました。
ていうかまず、こんな映画をシネコンでメジャー配給でやってしまった、その心意気をかいたい。
以下、ちょっとネタバレします。
主人公は嫌がらせでウンコしようとするわ、ゲロ吐くわ、ヒロインはジイさんの小便処理するわ、さり気なくやりたい放題の映画ですね。
ここが最高に良いんだけど、貧乏っちい人間が貧乏っちい所で貧乏っちいままでグズグズしてるだけで、特別華のある人間も出てこない映画をシネコンでメジャー配給でやっちゃうんだもんなあ。
それにしても、「人間」が好きなんだねえ。スゲェ肯定してる。特にあのマキタスポーツ氏!(誰だか知らなかったんですが、お笑い芸人さんらしい)この人演じる人間が、好きなんだろうなあ、と心から思った。
みんながさ、ちゃんと主人公に影響与えてんの。良いよなあ。
ていうか、共感できる映画だよ。「あるある」「いるいる」それの連続。
ああいうサブカル女、いるよなあ。いるいる。
ヒロインがさ、最後に一言本に書き置きしてる、ああいうの。ああいう感じ。あるある。ああいうことする女いるんだよ。結構神経逆撫でされんだよ、ああいうの。
ライオンズの帽子のオッサンみたいなの、いるよなあ、ああいうオッサン。ああいうオッサンと絡んじまった後には、そりゃ落差に凹むよ、イラつくよ。ちなみにあのオッサンを演じてるのは、AV男優の花岡じったという人らしいです。
ラスト、主人公の「意地」を見た気がしたね。成長した、強くなったと確信した気がして、嬉しかった。クズだけどさ、良いじゃんと思わされちゃったよ。
青春映画、ずっと撮って。
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