「共喰い」(青山真治監督作品)

渋谷シネパレス

座席位置 二列目中央

評点・・・☆☆☆★★

この文章ブログに載っけたら、映芸読者から抗議来たりするかなあ・・・ドキドキ。試しに載せてみよう。

以下、facebookに書いた文章を転載。

青山真治監督「共喰い」観賞。芥川賞受賞の原作は読みました。公開始まったばっかりなのに、さすがにヤバいんじゃない?ってくらい映画館はガラガラでした。

オレも30過ぎたオッサンだけどさあ、高校生が主役の物語なのに、高校生くらいの世代に伝えること考えて作りましたか?って問いたい。これがいま、高校生に伝わるとはとても思えない。自分たちの作家性を見せつけようとしか考えてないでしょ?

芥川賞受賞作品の映画としては、山下敦弘監督・いまおかしんじ脚本「苦役列車」が、大胆にコメディ化したのは偉いな、わかってるな、と改めて思いました。

青山真治監督は人として嫌いです。DJを侮辱する発言をしたことを見たことがあるからです。DJなめんじゃねーよ。だけど映画監督としての評価は別。

撮影や音響は気合入ってる。個性も十二分に発揮。そこは見応えあります。まあだから映画としてはちょっと良い出来くらいと言っておきます。

脚本は名脚本家にして、季刊発行のヒネクレ映画雑誌「映画芸術」発行人でもある荒井晴彦氏。

普段映画あまり観ない人は存在すら知らない映画雑誌でしょう。一応歴史ある映画雑誌です。簡単に説明すれば、モロに荒井晴彦色が入ってて、荒井晴彦脚本の作品は決まって高評価され、仮想敵にされた監督の作品は決まってボロクソに言い、話題になったりヒットした映画はヒステリーみたいにコテンパンに叩く嫌味な雑誌で、良いところと言えば日の目を浴びなかったり小規模公開に終わったインディーズ映画を紹介するくらいで、大嫌いなので立ち読みして確認しかしません。一切買おうと思いません。こんな偏見雑誌が本屋に並んでるのが不思議なくらいで、きっと編集部は返品の山でしょう。

荒井さんは脚本家としては一流で、原田芳雄の遺作となった「大鹿村騒動記」も良かったけど、人の悪口ばっかり言ってるうちに性格がヒネクレて、若い人の心掴もうとか、そういう意志が無くなっちゃったんじゃない?

でもこれがきっと今年の映画芸術ベスト1になる。