「甘い鞭」(石井隆監督作品)
池袋シネマ・ロサ
座席位置 最前列中央
評点・・・☆☆☆☆ ダンゼン優秀!
偶然にも『地獄でなぜ悪い』と続けて観たら「血みどろ映画二本立て」になりました。
以下、facebookより転載。
角川映画で『フィギュアなあなた』に続く今年2作目。原作未読。
え?テレビほとんど見ないからよく知りませんが「お・も・て・な・し」って言葉が流行ったんですって?こっちはね、「ひ・と・ご・ろ・し」ですよ!
いやあ、場末の映画館でゴイスーな映画やってました。もうオレの今年の日本映画監督賞は『フィギュアなあなた』とのコンボで石井隆で決まりですね。狂気と暴力の世界。インフレーション気味で、素晴らしい映画なのに人に薦めるのをためらってしまうレベル。耐性がある度胸のある人だけ観てください。文字通り出血大サービスで、『フィギュアなあなた』ばりにヌードだらけだし、加えて血まみれ、暴力の渦。SMの話と見せかけて、人殺しに関する映画でした。さすがオーディトリウム渋谷の千浦さんが試写で観て「ショックで2年続けたキネ旬のレビューコーナーをやめた」だけある作品。強烈です。
石井隆ってなんか不思議な人で、かつては映画界でかなり脚光を浴び続けた人だと思うんですが、ちょっと前までは映画作ってもあんまり話題にされてなかった印象があります。一部の評論家だけ熱心にチェックしてる、みたいな。オレもその頃の石井作品は全く観てません。いや、熱心に観てた人は観てたんだろうけど。
でも2010年に、かつての傑作『ヌードの夜』の続編『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』を発表してこれがなかなかの秀作で、キネマ旬報でもベストテン入り。
オレは自分の観てる範囲で、この人の監督作では『ヌードの夜』が一番好きで、脚本作では相米慎二が監督した『ラブホテル』が一番好きなんですが、こと今年の2作品に関しては正直「ここまで凄い人だったんだ」って今さら思うくらいフルスロットルな感じがします。
壇蜜主演と見せかけて、実際観ると間宮夕貴氏とのW主演。壇蜜氏の若い頃を間宮夕貴氏が演じてて、それを交差させて物語が進んでいく。狙いすましたかのように「密室」と「廃墟」がキーワードになってます。
あとオレの中で、ちゃんとした監督の作品だと竹中直人氏が暴走しない、というのがあります。金子修介監督の『ジェリー・フィッシュ』でも暴走してなかったし、この作品でも暴走しそうで、しません。
物語と伏線を集約しきったラストがあまりに素晴らしい。興奮抑えきれぬまま劇場を後にしました。
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