「それでも夜は明ける」(スティーヴ・マックィ―ン監督作品)

出演 キウェテル・イジョフォーマイケル・ファスベンダーベネディクト・カンバーバッチポール・ダノルピタ・ニョンゴブラッド・ピット

ユナイテッドシネマとしまえん

座席位置 前方左側

評点・・・☆☆☆★★★ 上出来の部類

以下、facebookより転載

ティーヴ・マックィ―ン監督『それでも夜は明ける』観ました。アカデミー賞作品賞助演女優賞・脚色賞受賞作。

もちろん、映画賞を受賞してると観る動機にはなる。けどオレはあんまりアカデミー賞というものを信用していません。もっと言うと、キネマ旬報映画秘宝映画芸術といった映画誌のベストテンもあんまり信用はしていない。

ここ数年のアカデミー賞作品賞部門で一番疑問に思ったのは、『ソーシャル・ネットワーク』に作品賞も監督賞もあげずに『英国王のスピーチ』を選んだ時で、今でも納得がいかない。「アカデミー賞って保守的なんだなあ」と思った。

というわけで、過度な期待をせずに平熱で観賞。

トンチンカンな邦題がついてますが、別にいつか夜が明ける話じゃなくて、原題は『12 Years a Slave』、奴隷として売られた自由黒人の物語です。

真っ向奴隷の理不尽な話を語った物語で、上出来の部類。効果的な長回し(特に終盤主人公の表情の変化を長回しで撮ったシーンは出色)で最後まで観せ切ってくれる。アカデミー賞では助演女優賞を受賞しているけど、俳優陣では主演のキウェテル・イジョフォーと、屈折した人間を演じたマイケル・ファスベンダーが魅力的でした。

ただ、アマノジャクに敢えて拙い点を挙げるならば、観ていて「長い年月」を感じさせてくれなかった作劇と、どういう経緯かはもちろん知らないけどプロデュースに関わってるブラッド・ピットがこの役をやってるのは、なんかイケスカナイ。

ノミネート作品全部観てるわけじゃないですけど、オレだったら『ゼロ・グラビティ』だな。