「戦場ぬ止み」(三上智恵監督)
舞台挨拶あり
座席位置 最前列中央
評点・・・☆☆☆★★★ 上出来の部類
Facebookより転載
三上智恵監督「戦場ぬ止み」観ました。あの伝説のドキュメンタリー監督の原一男監督も評価している注目の監督。元アナウンサー。キネマ旬報文化映画ベスト1位を獲得した秀作「標的の村」以来の新作です。大変良かったです。ちなみに菅原文太の恐らく最後の映画登場となってる(どのように出てるかは言わない)ので、菅原文太ファン必見。
僕は映画を観るのに驚きを求めてるので、映画を観る前にあまり情報を入れたくない。だから観ようと思ってる映画に関しては、twitterの感想もあまり検索しないし、評論・レビューも観てから読む。
だから本作も公式ホームページとキネマ旬報の鳥越俊太郎氏との対談をザラっと読んだくらいで映画を観に行った。
なので、沖縄の基地建設を巡るいざこざを追った映画なのかと思ってた。まあ、たしかにメインはそうです。
だけどこの映画、それだけじゃなかったです。
登場人物に戦時を経験している、ひとりのおばあちゃんがいます。このおばあちゃんを背景にした、沖縄の戦争からの歴史も同時に追った「反戦映画」「歴史映画」の側面がありました。そしてこのおばあちゃんの顛末によって、このドキュメンタリーは、ただの記録映画に終わらないドラマ性も生まれてます。
そして、これはこの監督の個性でしょう。重い題材を取り上げていながら、「おもしろい」んです。「ユーモア」がある。
前作「標的の村」にも「ダイエットしたほうがいいよ」っていう一言を言うシーンがあってこれが思わず笑ってしまったのですが、本作も「これは君たちへの配慮だよ」と言うシーンは笑ってしまった。そういったところを切り取るのがこの監督の才能なのかもしれない。
ユーモアと住民の笑顔に満ちた映画なので、重そうな映画と構えて観なくても大丈夫です。
ちなみにこの映画は、本公開は今日からだったのですが、緊急先行上映という形ですでに上映されてました。
本公開初日ということで、監督の舞台挨拶がありました。
監督が冗談交じりに百田尚樹氏に言及してたんですが、百田氏はこの映画100本ノックしたほうがいいですね。理由は観ればわかります。