振り返ると
とは言え、まだ9月だけど気になるから覚え書きとして書き残す。
個人的な最大の謎
【ラスト、コーション】での、ヒロインの人力車での行動の意味。
これは本当に未だにわからない。とても深い。去年のバーホーベンによる【ブラックブック】では、ヒロインの最後の行いに関して会話で言及してたけど、アン・リーによる【ラスト、コーション】では特に無かった気がする。自分が見落としだだけかもしれないが。観た人にお聞きしたいなあ。
あと日本人として、【母べえ】【実録連合赤軍あさま山荘への道程】【ぐるりのこと。】がまとめて同じ年に観れたのは良かった。【母べえ】と【実録連合赤軍あさま山荘への道程】に関しては、こういう視点で映画ができて、僕の世代が観たことを、両時代を経験している父も喜んでいた。ファミレスで両時代について熱く語る父の姿は忘れられない。母も【母べえ】の隣組シーンには苦笑しきりだった。
反戦、赤軍関連に言及した作品とは異なるけど、現在へ至る10年を流れで記録した【ぐるりのこと。】も良かった。全てに共通してその時代に生きる、ある人間達の物語。しかも自分とさしてかけ離れた存在とは感じない人々なのが良かった。
人間は忘れゆく生き物だから。
あとは身近な国として、急速な変化を続ける国をチャウ・シンチー演じる父が工事現場から都市を見つめる視点で描いた【ミラクル7号】と、現代経済・社会構造の未来を捉えたような、まるで日本を観ているような【この自由な世界で】だな。ラストは好対照だけど。成功者とそうでない人の二元論のみに縛られてると、こういう視点は逃してしまう。うまく言えないけど。【ミラクル7号】も【この自由な世界で】も、登場人物やアンジーが、かけがえのない物を得る。僕もそうなりたい。そうなれるように生きていないとな。
出来云々を置いても、観て良かった。
両極端な二つの選択の中からの単純な結論や価値観で全てが判断出来るほど、人間も人間による社会も簡単ではないということを、忘れそうになっていた時に思い出せたような気がする今日この頃。
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