2008年映画ベスト30!

色々ありましてもう今年は残念ながら映画館に観に行けなさそうなんで、キネ旬とか他ブログにアンケート出す時のために僭越ながら今年の個人的ランキング作成しました。今後何かを観に行ってランクインの場合は加筆修正。悩むのも面倒くさいから、ベスト30。何本観たかは数えてませんが、個人的に海外・日本とも楽しい充実した一年でした。まあ大体こんなところでしょうか。短評を加筆しました。

自分のランキングの前に、僕がよく読ませていただいているサイトのランキングを勝手に紹介させていただきます。

お楽しみはココからだ〜 映画をもっと楽しむ方法
外国映画部門
http://otanocinema.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-f91e.html
日本映画部門
http://otanocinema.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-cf90.html
両方
http://otanocinema.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-2a67.html

↑なんかのインターネットの映画賞の投票フォーマットみたいです。

虚馬ダイアリー
2008年個人的映画ベスト10発表
http://d.hatena.ne.jp/toshi20/20081230

↑何か個性的なランキング!いいですね!

まどぎわ通信
2008年度マイ・ベスト&ワースト映画
http://d.hatena.ne.jp/madogiwa2/20081231

↑ワースト作品が全部日本映画(苦笑)。高評価されている「青い鳥」は気になる。「イギリス映画好きなら特に良い」とのこともあり、辛うじてまだ公開中なので行く予定。

以下がお恥ずかしながら、僕のです。キネ旬に提出する海外・日本別々のは他に書いてます。

1.赤い風船(リバイバル
 監督アルベール・ラモリス
 少ないセリフ、50年以上前の作品とは思えない映像。想像力を刺激された作品。
 主人公の少年の描写が最高。

2.ぐるりのこと。
 監督橋口亮輔
 翔子への個人的な思い入れを加味してこの位置。確実に人生のマストの1つになる。
 自分も生きた一時代を描いてくれたことも好き。

3.ダークナイト
 監督クリストファー・ノーラン
 観賞後気付いたら手が汗でびっしょり。主人公が複数いるような重厚さ。
 テーマ・情報量がぎっしり詰まってて、何回観ても違う視点で楽しめそう。

4.この自由な世界で
 監督ケン・ローチ
 観た当初は数年後の日本かと思っていたら、もう目前に迫っているか、もしくは現実のものとなっている。
 ただドラマとしても、息子を入れてきた事がまた良いものとなっている。

5.潜水服は蝶の夢を見る
 監督ジュリアン・シュナーベル
 幻想的なんだけど、ぴったりはまった演出。主人公や周りの人たちのリアルさ、
 音楽の巧妙な使い方、どれをとっても良し。

6.リダクテッド 真実の価値
 監督ブライアン・デ・パルマ
 とにかくドキュメンタリーと錯覚してしまいそうな作り方。
 それ以上に皮肉めいたセリフの応酬に降参。

7.BOY A
 監督ジョン・クローリー
 社会派・青春どちらで観ても思うところ多い作品。個人的にはクラブシーンも好き。
 主演のアンドリュー・ガーフィールドの好演も良し。

8.ウォーリー
 監督アンドリュー・スタントン
 まだ感想を書いてない作品。文明の過剰な進歩への危機感や環境問題、加えてファシズムへの批判も感じた。
 ただそんな小難しいことを抜きにしても、笑って気付いたら涙していた作品。

9.エグザイル/絆
 監督ジョニー・トー
 鈴の音とギターの音が鳴り、仁侠映画のようなタイトルで始まった瞬間に早速期待を煽られる。
 そこからは不器用な男達の熱い戦いの旅が堪能できた。やややり過ぎな演技が逆に作品の雰囲気とマッチしていた。

10.その土曜日、7時58分
 監督シドニー・ルメット
 「アフタースクール」とはまた違ったタイプの巧妙な時間軸操作にハラハラドキドキ。
 最後は「愛」の大切さを思い知らされた。ラストの処理は名匠ならではの説得力。

11.ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
 監督エドガーライト
 事前の予想ではもっとコテコテのコメディに徹した作品かと思っていたら良い意味で裏切られた。
 ゆるーい笑いとミステリアスな展開、そして最後の派手な展開に大興奮。

12.ミラクル7号
 監督チャウ・シンチー
 ネタバレに気をつけて書くと、宇宙船は誰に見えていて誰に見えてないかを想像すると
 ラストはシンチーの優しさが伺える。工事現場から高層ビルを見つめるシンチーのまなざしも尚良し。

13.シューテム・アップ
 監督マイケル・ディヴィス
 観に行ったらほとんどが男性で、同じ列の人は何故か揃って週刊チャンピオンを読んでいた。
 観終わった後は喫茶店でキャロットジュース飲んで思い出し笑い。

14.アフタースクール
 監督内田けんじ
 役者の個性をそのまま活かし、監督のいう説明するしないのさじ加減と巧妙な映像情報量がマッチしたかと。
 最後にさらっとメッセージを乗せたのも、やられたという感じ。今後更に期待大。

15.ミスト
 監督フランク・ダラボン
 個人的にはサイレンが鳴ってから、衝撃のラスト15分に入るまで。
 マーシャ・ゲイ・ハーデンが強烈。スクリーンから唾が飛んでくるかと思った。

16.闇の子供たち
 監督阪本順治
 後半の展開が乱暴という声も聞きましたが、むしろそれが好き。最初から最後まで緊張感が絶えなかった。
 "20cm"という言葉に思うところ多し。宮崎あおい視点で振り返ると更に良い。

17.イースタン・プロミス
 監督デヴィッド・クローネンバーグ
 かなり徹底した暴力描写の先に見える、あまりにも感動的なラスト。
 本年最高の名場面サウナでのバトルシーンも、思わず椅子から腰が浮いた。

18.ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
 監督ポール・トーマス・アンダーソン
 観た当初は、画面を活かしきった作りと、ダニエル・デイ=ルイスの名演技に満足したのみだった。
 ただその後主人公のみに振り返ると、思うところが多い後からジワリと来た作品。

19.実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
 監督若松孝二
 とにかく全く退屈しない作品だった。変な言い方だけど、若松監督視点の真実から、目を背けず、
 自分なりの真実を求めながら生きなければ、と伝えられた気がする。観た後若松監督と同年代の父と語り合ったことも忘れられない。

20.崖の上のポニョ
 監督宮崎駿
 振り返るとツッコミどころ満載だが、とにかくあの波に乗って追うシーンがあまりに強烈だった。
 以前「大混乱の時代を目前にしている」と言っていた監督が、この極めてポジティブなタイプの作品を出したのも好印象。

21.歩いても 歩いても
 監督是枝裕和
 なんともチクリと来る笑いを交えながら、最後まで計算しつくされた物語だった。
 キャストのバランスが絶妙で、その中でも樹木希林が圧倒的。

22.おくりびと
 監督滝田洋二郎
 序盤から本木雅弘の「手」が気になっていた。何気ないけど強調されている気がした。
 やはりそれが強い意味を持ったまま、素晴らしいラストを迎えた。 

23.パコと魔法の絵本
 監督中島哲也
 前半はこれ大丈夫か?とやや心配になったけど、中盤から怒涛の展開。
 この手の作品では泣かないほうだと思っていたら、最後は号泣。役所広司國村隼が見事。
 「オカマは一度で二度おいしい」

24.母べえ
 監督山田洋次
 あまり山田洋次に思い入れは無いけど、これは凄かった。隣組シーンなどで皮肉めいた笑いを入れ、
 鶴瓶志田未来の掛け合いも絶妙。ラストも上手い。なってからでは遅いということ。

25.僕らのミライへ逆回転
 監督ミシェル・ゴンドリー
 もっと徹底してコメディ映画かと思っていたら、終盤はニューシネマパラダイスのような良さ。
 「ロボコップ」ネタに、拳銃クルクル回しがあれば尚良かった(笑)ただ邦題が酷すぎる。ミライ?

26.ウォンテッド
 監督ティムール・ベクマンベトフ
 振り返ればツッコミどころ満載だけど、かなり楽しんで観れた。
 アンジーのサービスさと「ビンビンくるぜ」が大好き。

27.落下の王国
 監督ターセム・シン
 もっとアーティスティックに寄った映画かと思っていたら、思わぬ素晴らしさ。
 カティンカ・ウンタルーのキャラも良かった。優しさと残酷さを行き来した末のラストが良い。 

28.ラスト、コーション
 監督アン・リー
 個人的には前作ブロークバック・マウンテンはそれほどではなかったけど、これは大好き。
 終盤の人力車でのヒロインの行動がなんとも言えない。

29.チェチェンへ アレクサンドラの旅
 監督アレクサンドル・ソクーロフ
 作品の中に、これといった事象は何も起こらない。
 けれど、映像のリアリティや常に観客に問いかけるような作り方で、観ているこちらは考え続けることになる。

30.靖国
 監督李纓
 出来はさておきこれは入れたい。色々話題をさらったけど、今じゃそれも昔の話になって来ている気がする。
 全体的に苦笑しながら観ていたがやはり否定できないのは、石原都知事登場場面。笑えず、絶望感に脱力したのは事実。

「あの作品がこんな下に!」とか「ノーカントリーが圏外!」とかなってしまいました。あくまで僕の趣味なんで。「実録・連合赤軍」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」など、後からじわっと来た作品はもう少し上にしても良い感じです。

最優秀監督賞
宮崎駿崖の上のポニョ」 フランク・ダラボン「ミスト」
最優秀主演男優賞
本木雅弘おくりびと」 ヴィゴ・モーテンセンイースタン・プロミス
最優秀主演女優賞
木村多江「ぐるりのこと。」 カティンカ・ウンタルー「落下の王国
最優秀助演男優賞
豊川悦司「接吻」 ヒース・レジャーダークナイト
最優秀助演女優賞
樹木希林「歩いても 歩いても」 マーシャ・ゲイ・ハーデン「ミスト」

以下は虚馬ダイアリーさんの真似で・・・

最泣きトップ5
木村多江「ぐるりのこと。」
クリスチャン・ベイルダークナイト
カティンカ・ウンタルー「落下の王国
役所広司パコと魔法の絵本
マチュー・アマルリック潜水服は蝶の夢を見る

最怖いトップ5
ゾンビ「ダイアリー・オブ・ザ・デッド
小池栄子「接吻」
怪物「ミスト」
マーシャ・ゲイ・ハーデン「ミスト」
ハビエル・バルデムノーカントリー

最萌えトップ5
ヴィゴ・モーテンセンイースタン・プロミス
クリスチャン・ベイルダークナイト
アンソニー・ウォン「エグザイル/絆」
モニカ・ベルッチシューテム・アップ
モー「ウォーリー」

特別賞
風船「赤い風船」
ニンジン「シューテム・アップ

特に印象的なセリフ
「何をしても自由なの?」 "この自由な世界で"より
「僕のカメラは、嘘をつかない」「目を見開いて、見つめてました。」 "リダクテッド 真実の価値"より
"ゼア・ウィル・ビー・ブラッド"で、ダニエル・デイ=ルイスの最後のセリフ。
"ダークナイト"の、最後のセリフ。
「撃ち尽くしたぜ」 "シューテム・アップ"より

ベスト・シーン
"崖の上のポニョ"の、波に乗って追うシーン。
"イースタン・プロミス"の、サウナのシーン