チェチェンへ アレクサンドラの旅
監督アレクサンドル・ソクーロフ
主演ガリーナ・ヴィシネフスカヤ
まどぎわ通信
映画「チェチェンへ アレクサンドラの旅」
http://d.hatena.ne.jp/madogiwa2/20090102
映画がはねたら、都バスに乗って
「チェチェンへ アレクサンドラの旅」:江東車庫前バス停付近の会話
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/3773d3c7e055e8feca24ea518c52655f/c2
「おばあちゃんの、孫を訪ねて駐屯地」
派手な戦闘シーンもなければ、残虐描写もなし。声高らかに戦争への憤りを叫ぶといったシーンもなし。
劇を展開させるための出来事すらほとんど起こらない。変わった演出もなし。
けれど報道規制が張られる最前線に踏み込みロケを行った映像は、圧倒的にリアル。見応え抜群。
そして表情や静かに語られる言葉が、人間と戦争の本質を貫いてグサリと刺さり、観る側に思考を促し、気付けばあっと言う間に観賞終了。
現在第二次という形で継続しているチェチェン戦争の予備知識も必要なし。ロシアがどうこう、チェチェンがどうこうと言う事に踏み込んでいる作品とも思えなかった。自分の知識も付け焼刃に過ぎない。
翻り、自然とイラクへ思いを馳せた。きっとイラクもこうなんだろう。
そしてイラク戦争に関わったこの国の国民である僕の手は、見知らぬ多くの人々の、見えない血に染まっているのだな。と思うと、悲しくなった。