「キャラメル」という映画についての知能指数が0の感想

監督・主演ナディーン・ラバキー

なぜこの映画について書くかと言うと、違う意味でガツンときたので。

なぜこの映画を観たかと言うと、「愛のむきだし」観に行ったら時間が合わなかったので、同じところでやってたから。何せ「愛のむきだし」は四時間だから一度タイミング逃すと、もうその日は無理。

入ってチラシ観たら、レビューコメントが原田眞人小池百合子・・・原田眞人はダメなほうの作品群しか観た事が無いので・・・観る前から物凄くテンションが下がった。

この映画も観る人で大きく印象が変わりそうな気がします。女性か、この地域特有の宗教観の知識にかなり秀でた知識人ならまた違うと思います。アホでスケベの男が一人で観に行ったのはミスだった気がする。原田眞人は一人で観たのかな?(注1)

話はベイルートにあるエステサロンの女性達の話で、そこで働く女性達などの周囲の話なワケです。何となく最初は「レバノンセックス・アンド・ザ・シティ?」とか思った。(注2)

キャラメルは食べるキャラメルではなくて、これをエステに使用しているのです。

監督が女性だからか、女性を美しく撮ることにはかなり長けている印象。あと音楽がとても良かったので★加点。(注3)

で、エステサロンなんかは日本の美容室と特別変わらないんです。途中、女性達が車の中で見せるファッションなんかも、ハリウッド映画に出てくるシーンに見えなくもないです。

レバノンだからといって特に街のヤバイ部分を過剰に見せているわけでもなく、そういったシーンは冒頭に出てくる、おまわりが婚約者カップルを難癖つけて連行するところくらい。

でもそこはガツンときたところではなかったんですよ。そういう映画を見慣れているせいもあるだろうし、ホンの少し挟んでいるだけだし。

どこがガツンときたかってさ

女性達がそれぞれに悩みを抱えているわけ。不倫に悩む女性。加齢に悩む女性。男性が身近にいるものの、厄介な姉がいるので踏み切れない女性。結婚前に隠し事をしている女性。などなど。

で、結婚前に隠し事をしている女性の悩みなんかは、日本人女性だったら信じられないようなことかもしれないけど、まあ宗教上そうなんだろうとか漠然と思ったわけで、他の女性達の物語に関しても、日本との反応の違いがあれど、取り立てて驚くような筋書きでもないかな、と思ったんだけど。

不倫に悩む女性が、相手の男性の連絡を待って携帯電話に執着しているところとか、「なるほど」と思ったんですが、ガツンときたのがさ、この女性が会うためにオンボロの宿に行って、男性のためにケーキを作っておいて、たくさんの風船を用意して、オンボロの宿だから汚いから一生懸命掃除したりしてんの。トイレまで。家じゃなくて宿だよ。オンボロとはいえ。

これさあ、仮に日本でやられてもウンザリでしょ。多分同世代だと長谷川京子とか伊東美咲あたりな気がするけど、彼女達が映画でこんなことやったらさ、それやっただけで「カンベン!」ってなると思いませんか?っていうか、私生活でも厳しいと感じるかもしれん。

なのにレバノンの映画だとそんなことを感じないの。違和感がないの!なぜだろう。

これは出来事への捉え方の違いよりも驚きましたよ。

あと若い頃のジョディ・フォスターを彷彿とさせるようなボーイッシュな女性(ジョディ・フォスターは今でもボーイッシュだけど)がいて、彼女のところにペネロペ・クルスのような上品な女性がいつも来るんだけど・・・これはまさかもしやの展開!?と思ったけど、まあよく考えたら僕が考えるような展開になる感じではないし、ドロドロした映画の観過ぎだなと思いました。

あと「レボリューショナリー・ロード〜燃え尽きるまで〜」とセットで観たのは偶然とはいえ良いチョイスした気がする。あれは感想にも書いたとおり詳しくは知らないけど、後半当時のアメリカの宗教観からきている考え方を反映していると思うので。

(注1)原田眞人がアホでスケベということではないですよ。

(注2)セックス・アンド・ザ・シティ観たことないです。

(注3)あと美人がいっぱい出てくるから。