グラン・トリノ

池袋シネマ・ロサ 初日 近所のシネコンにしても良かったのですが、クリント・イーストウッドの俳優引退作を観るなら少し哀愁をおびた映画館が良いかと思い、少し嫌な経験がある映画館だけど、ここに。
今のところ「愛のむきだし」を抜いて、本年ベストワン。キネ旬の少なくとも読者選出のベストワンにもなる気がします。

とりあえず下書き保存していた文章を公開します。あとで逐一編集の可能性もあります。

監督クリント・イーストウッド
主演クリント・イーストウッド
製作総指揮ジェネット・カーン ティム・ムーア ブルース・バーマン
脚本・原案ニック・シェンク
音楽カイル・イーストウッド
配給ワーナー・ブラザーズ

キネマ旬報 2009年 5/1号 [雑誌]

キネマ旬報 2009年 5/1号 [雑誌]

映画を観る前になるべく情報と他の方の感想を入れずに観るタイプなんで、まだしっかり読んでないのであとできちんと精読しますが、小林信彦が「ミスティック・リバー以降無駄撃ちがなくなった」と書いていた気がします。

個人的に、往年のイーストウッド作品に強い思い入れがあるものはあまりありません。ただここんとこイーストウッド監督作品を観るのは、冴えない人生のひとつの貴重な出来事になっていたような気がします。「チェンジリング」のパンフレットにも黒沢清がそんな感じのことを書いてました。

ただイーストウッド監督作品は、いつもなかなか言葉にして語る事ができませんでした。いつも観て、自分の中で時間をかけて反芻していました。このブログを始めてからは「チェンジリング」も観てますが、記録のみにして具体的な感想は書いてません。ブログ以外にレビューサイトに書いていて、そこには「チェンジリング」は頑張って書いたものの、言い切った気がしてません。読んでいただいた方々には申し訳ないけれど・・・

それほどまでに言葉をためらう映画ばかりで、そんな作品は最近「チェンジリング」と「実録・連合赤軍」だけ。

ただ「グラン・トリノ」は気軽に語りたいです。それこそ”ビール”と”春巻”を口にしながら、「あそこの場面がねえ!」くらいの感じで。(おそらく)最後の出演作品で、強い親近感を感じて、近い距離感を抱きました。

とにかく可笑しいんです。爆笑しながら観ていました。そしてイーストウッドが現れるだけで何か心が躍りました。

「人生がスター」「職業が映画スター」だから作れるような映画。

【映画がはねたら、都バスに乗って
グラン・トリノ」:権田原バス停付近の会話
http://blog.goo.ne.jp/ereninotabi/e/925aa9d339bac1b46c2b38fdae6a264c
↑また良い文章で大反響!

まどぎわ通信
映画「グラン・トリノ
http://d.hatena.ne.jp/madogiwa2/20090425
↑こちらも良いよ。満点5点つけてらっしゃいます。

よもやまやもよ
グラン・トリノ
http://blogs.yahoo.co.jp/orchestraofangels/51721479.html
↑ネタバレなし

The Secret Doctorine(秘密教理)
[今日の映画]グラン・トリノ
http://d.hatena.ne.jp/cinemathejury/20090501/p1

お楽しみはココからだ〜 映画をもっと楽しむ方法
グラン・トリノ
http://otanocinema.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-8ad8.html

以下、ラストについて触れます。


コワルスキーの最期。実は観ている途中からそうなる気がしていました。今のイーストウッドならそうするんじゃないか。

そして、そうして欲しいと心の中で願っていました。

イーストウッドは近年思想性を前面に出し続けて提言し続けてきた人です。もう俳優引退作品だし、聞いた話によれば次回作は舞台が違うみたいです。なら、もういいじゃないか。そう思ってました。

もう闘いに終止符を打ってくれよ。

だからあのラストは僕にとって、嬉しい限りの美しい幕引き。

そして未来へと繋ぐ物語のラスト。

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「老いて最強たれ」