今度は愛妻家 - タニプロダクション

一番ヒットした映画は「世界の中心で、愛をさけぶ」なんでしょうが、自分にとって行定勲監督と言えば、私的な「ゼロ年代ベストテン」の一作品にも選んでいるように「GO」の監督です。

ああいう熱の入った青春映画は、今の日本映画ではごくたまにしか出てこないような気がするし、あの一作品だけでも自分の中に記憶されている監督です。

ただ自分にとってはあの映画以降これといった映画は無いと思ってて、なかには正直かなりダメな映画もありました。「世界の中心で、愛をさけぶ」も、悪い映画だとは思わないけどあそこまでヒットする理由は正直よくわかりません。

多くの人に忘れられてそうな前作「クローズド・ノート」も、映画館に足を運んで観てます。

まあでも行定勲監督って、まだ４１歳なんですよね。今後はまたキャリアを重ねるうちにまた違う味が出る監督になるのかも。

で、本作。

主演は、トヨエツ氏と薬師丸ひろ子氏。

この二人を含めたメインのキャスティングに関しては、言うことなし。

とくに薬師丸ひろ子氏のキュートさが炸裂！石橋蓮司氏のオカマも凄い。

トヨエツ氏の演技に他の人とのどこか違和感を感じたんですが、これが舞台劇からの映画化ということで、そのあたりを意識したのかな？

まず冒頭からの室内シーンが相当面白く「これはよもや大傑作か！？」と思うほどだったのですが・・・

この映画、この作風にしてはちょっと長い。

補足すると、「予想外の展開」という触れ込みも自分はそこに触れずに書きますが、人によって分かれるとしても決して大げさではないし、細部に凝ってて、そのあたりはもう一度確認したいほどだし、夫婦の方々が観たら余計に感じるところの多い映画だと思います。

ただ調べたら２時間１１分だとか。

普通の映画なら長くは無いんですが、この作風だとあと２０分は短くしたほうがよかったと思います。

観た後考えてみたんですが、この流れでやるなら、相当面白いシーンを含む前半部こそもっと短くして、もっと勢いよく一気にもってけば、観ているこっちがあれこれ詮索するような余地も入らないほどの映画になったんじゃないでしょうか。

とはいえ上述したように、前半部が相当面白いし細部に凝ってるから難しい話ですが・・・

まあ室内シーンがかなり面白かったので、これなら「パレード」は期待できるかな。

☆☆☆★

実際個人的にはそこまでの映画ではなかったので書こうかどうするか悩んだんですが、どうしても書きたい理由ができまして。それは・・・

トヨエツ氏のメガネが僕のにそっくり！あと、濱田岳氏のG-SHOCK（に違いない）が僕と一緒！

新宿バルト９

原題：今度は愛妻家日本映画

脚本：伊藤ちひろ

撮影：福本淳

音楽：めいな.Co

製作：黒澤満　木下直哉

配給：東映