借りぐらしのアリエッティ(米林宏昌)

T-JOY 大泉

借りぐらしのアリエッティ 日本映画

監督:米林宏昌

企画・脚本:宮崎駿

脚本:丹羽圭子

声の出演:志田未来 神木隆之介 藤原竜也 竹下景子 大竹しのぶ 三浦友和 樹木希林

原作:メアリー・ノートン

音楽:セシル・コルベル

プロデューサー:鈴木敏夫

配給:東宝

http://www.karigurashi.jp/index.html

採点=☆☆☆★★

スタジオジブリの新作は、宮崎駿さんの企画・脚本と腕利きアニメーターの新人監督ってことで、巨匠と新人のコラボの味は?ってこと。

原作は↓で、僕は以前読んだことがある。

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)

へー!驚いた。あんまり期待しすぎないように、と思って観に行ったんですが、これが良い。味わいのある映画。

原作の長所をきちんとおさえつつ、なんだかカワイイ映画だ。

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アリエッティと父の2人の「借り」、アリエッティはアイテム「マチ針」を手に入れた。てっててー(ゲーム風に)♪

そしてそれを機に、父の助言とは裏腹に、挑むべき試練へ・・・てな感じ。

聞くところによると、宮崎駿さんにこの話をふられた際に「麻呂」こと米林監督は、「監督には思想とかそういったものが必要だと思いますが、自分には・・・」みたいに答えたところ、宮崎駿さんは「思想なんてものはこの本に書いてある!」と言ったらしい。

思想・・・思想はさておき、「愛」は感じたね。なんていうか、萌えました。いや、萌えって言葉の意味を履き違えているかもしれないけど、いっときの恋物語としてなんか甘酸っぱさもあって清々しい。

今年の「時かけ」(谷口正晃監督)に、味わいが似ている気がするなあ。実写とアニメーションを並べて語るのはアレかもしれないけど、「時かけ」が大林宣彦監督版の魅力をおさえつつ、いっときの女の子の成長する姿を描いた恋愛映画だったのと同様、これもそういう「過程」を淡々と描いてる。


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あと森卓也さんも「静けさの中で音が際立つ」云々と書かれているが、確かに生活音等がかなりリアルだ。特にキッチンへ侵入するシーンには驚いた。昨年の大傑作アニメーション「マイマイ新子と千年の魔法」しかり、細部にまでこだわりが感じられる映画には駄作は生まれづらい。劇場で観る魅力を感じさせる。

耳をすませば、魅力が増す映画だ。ジブリってやはり才人のスタジオなイメージだけど、この映画はみんなの力って感じかね。

どうしても狭い世界の話になってしまうのだけど、意外と躍動感を強く感じる箇所があった。

まあ、ハルさんの行動がかなりブレているという点、それとスピラーをもっと活かしたらストーリーにもうひとやま出来たかなあ、とも思うけど、90分ちょいの小品だからこその長所もある。まあジブリの看板がなければこういう映画は絶対ヒットしないんだけど、日本人は長いものに巻かれたがるんですよ。

あんまり争いごとが多い映画を観る気分じゃなかった時だったから、良かった。

暑くてどうにもな時、のんびりホンワカ楽しめる映画です。

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