ばかもの(金子修介)

有楽町朝日ホール

ばかもの 日本映画

座席位置:真ん中右側

監督:金子修介

脚本:高橋美幸

出演:成宮寛貴 内田有紀

撮影:釘宮慎治

美術:高橋俊秋

音楽:MOKU

原作:絲山秋子

製作総指揮:植村伴次郎

エグゼクティヴ・プロデューサー:奥山和由

公式サイト:http://www.bakamono.jp/

配給:ゴー・シネマ

好感度点数=☆☆☆★★★

感想追記

ばかもの (新潮文庫)

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プライド デラックス版 [DVD]

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いまや日本映画界最注目の女優さんと言っても過言ではない(少なくとも僕にとっては結婚後も最注目)満島ひかり氏は、園子温監督「愛のむきだし」で飛躍、と思ってらっしゃる方々も多かれと思いますが、僕にとっては「プライド」で飛躍、だったりします。

いきなり本筋から遠ざかったけど、快作「プライド」の金子修介監督新作。

また話が脇にそれますが、舞台挨拶つき完成披露試写会で観たので、舞台挨拶の話から。

舞台挨拶付きの試写に行ったのは「20世紀少年」三部作の完結編以来しかしあの時はラスト10分程度を観せてもらえないという珍試写会だった・・・そんなんで仮に感想求められても困るよね・・・当日友人に言われて初めて知った・・・しかも監督が来てなかった記憶・・・挙句不在の説明も無かったような・・・

またまた話がそれました。

舞台挨拶に登壇されたのは監督と成宮寛貴内田有紀両氏。見渡したところ若い女性が多かったような。登壇した瞬間「きゃー!」です。

実は監督をナマで拝見するのは「したまちコメディ映画祭」に続き本年二度目

「プロデューサーに漫才師か、と言われた」みたいなことを言っていたけど、上下紫色のスーツに身を包んだ成宮氏がちょっとボケ担当。まあボケでもカッコいいんですよね。ガキの頃からの内田氏のファンであることを暴露。「オーンリユーウウォウウォウウォー」って歌ってました、知ってます?

実は僕もガキの頃内田有紀氏好きで、某チョコレートで当たったテレフォンカードも持ってんだぜ。

だからナマ内田有紀氏観れて嬉しかったね。

ああ、舞台上にはダルマも登場。ダルマ。

そろそろ本題に。

僕はこの映画、金子修介監督版「ぐるりのこと。」と言える気もしました。愛し合う2人とその時代を描いてるということで。

もちろん上記した点に共通するものを感じただけで、作り手が異なれば全く別の映画ですがね。

ぐるりのこと。 [DVD]

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原作は絲山秋子氏の小説ですが、未読。

この映画、20代〜30代の男女には特に良いかもしれない。好きです。

映画は、あるヒットソングが流れて始まります。この映画、「ポップソング」が重要な事柄のひとつと思いました。要するに時代を描くキーとなってる。

大学の出来がヨロシク無いいい加減な学生である成宮氏演じる青年が、内田氏演じる年上の女性と出会ったことから発する物語ですが、学生時代はちょっとノリがポップというかキュート

冒頭のあの曲がそれを予兆してたのかも。

ここから内容に少し深く踏み込みます。御注意を。

けれどオトナになってからは、一転して緊張感が増す。シビアな世界を映し出す。

たびたび字幕等を併用して時代を同時に語りだしたりするわけですが、こういう面でも映画中盤から何と言っても重要になるのは中村ゆり氏演じる女性。彼女のやってるデイトレードに加え新興宗教という点。末路が哀しい。監督の社会に対する厳格な視線を感じる。

一方成宮氏と言えば社会に馴染めずアル中になって堕ちていく・・・

どうしても成宮氏に共感してやまなかったです。実は僕もダメ学生で留年経験もあるし、会社入ってしばらくしてから仕事で色々あったことも思い出しました・・・アル中にはなってないですけど。

ちょっと前に「オカンの嫁入り」という映画で、宮崎あおい氏演じる女性が電車に乗れないというシーンがあったけど、(セクハラされてないけど)あれも似た経験があって、わかるなあ、と。

オカンの嫁入り[DVD]

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同世代の人間としては成宮氏は見事変化を演じきってると思いました。素晴らしい。

この映画はセックスに関しても言及してるわけですが、そういった映画は個人的に苦手だったりすることが結構あるのですが、この映画に関しては他にも魅了される面があってか好きです。

家族の視点が暖かい。観終わった後気持ちいい。

※氏の小説は「エスケイプ/アブセント」と「ダーティ・ワーク」は読んだことがあります。多分後者が傑作と言われてそうな気がするけど、僕は前者が好きです。

エスケイプ/アブセント (新潮文庫)

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ダーティ・ワーク (集英社文庫)

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Only You

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