書いて撮る

新聞文化面に4日間、「フロント4 書いて撮る」という特集が掲載されていたので、楽しみに読んだ。

原作からの映画化が多い今、オリジナル脚本で挑む気鋭映画監督のインタビューで、インタビューを受けていたのは【ぐるりのこと。】の橋口亮輔(46)、【アフタースクール】の内田けんじ(36)、【純喫茶磯辺】の吉田恵輔、最終日を締めくくったのは【ハッピーフライト】の公開が控える矢口史靖(41)。

個人的に5月から7月にかけて観たい映画が多かった時期だったため、【純喫茶磯辺】は未見。DVDリリースされたら観ようと思う。

橋口監督の【ぐるりのこと。】は個人的に本年の日本映画ベスト1筆頭候補どころか、オールタイムベストの中の作品にも入る可能性が高い一本。幸せな感傷に浸りながら家路へ向かった記憶が忘れられない。
時間をかけて丁寧に作りこまれたのが伝わる作品だった。
そこで記事で印象に残ったのが、「現実と格闘しなくては」という言葉。10年日本史を刻み現代へ導いた作品を観ると、よくわかる言葉。4つの記事の中では最も自身の内面に触れた秀逸な記事。ヒットしてほしいが目的がそれになることで「映画ににごりが出る」ことを避ける心境に、複雑な思いも垣間見えた。

内田監督の【アフタースクール】は、どんでん返しに驚かされる脚本がやはり話題らしいが、個人的にはキャスティングを見事に活かしきったセンス、映像の情報量とスピード感、最後にさらりとシリアスなメッセージを含ませてくる点に、まさに「痛快」な気がしていた。
ここでインタビューで印象的なのが、映像情報量に言及した部分の「説明する、しないのさし加減」という言葉と、実験性や作家性とバランスを取りつつ自分が観客の立場になり「自分が観たい映画を撮る」という言葉。

矢口監督の【ハッピーフライト】も、取材にこだわりを入れた「観客を本物の飛行機に乗った気分にさせる」映画らしいので、飛行機は苦手だけど楽しみに待とうと思う。

ハッシュ! [DVD]

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ちなみに【ぐるりのこと。】には、【ハッシュ!】を思い出すシーンがある。

acteur(アクチュール) No.11 (2008 JUNE) (キネ旬ムック)

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出演者の演技がうまいというより、「そのまま」感。

スウィングガールズ スタンダード・エディション [DVD]

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【ぐるりのこと。】【アフタースクール】の個人的感想文。
http://d.hatena.ne.jp/tanipro/20080810

で、以下は原作からの映画化作品の話題。
映画【20世紀少年】の撮影で事故

詳しくは知らないけど、多分三部作完結編あたりの撮影なのか。色々事情はあるのだろうけど、もうすぐ一作目の公開の今撮影してるのか。原作読んでいたし、原作者の脚本協力や豪華キャストでかなりお膳立てされてるから期待はしていたけど、【この自由な世界で】【落語娘】【パコと魔法の絵本】【スターウォーズ クローンウォーズ】【アイアンマン】【ウォンテッド】と、観たい映画が集中し過ぎてる上に、作風に不釣り合いな気がする堤幸彦監督が来たので、映画館に行ってまで観ない予定だけど、この時期に撮影してたのか。事情があるだろうけど、一作目の公開を待って結果を見てからのほうが良かったんでは。ただケガを負われた方々には、大事に至らないことを願います。あと壮大な無駄遣いとか、邦画バブル崩壊の決定打とか、人気漫画原作の失敗作の新たな黒歴史とかにならないことを、陰ながら願います。
堤監督は、【暗闇坂の人喰いの木】の映画化を手掛けるという噂が。こっちのほうが・・・御手洗潔は誰が?それ以前に、あのシーンはどうやって映像化を?普通にやったら成人指定どころではない。というか、あのおどろおどろしい雰囲気を堤監督が?とりあえず松崎レオナ役は沢尻エリカしか考えられない。

暗闇坂の人喰いの木

暗闇坂の人喰いの木

表紙デザインと、島田荘司先生の近影写真が抜群に良いので、文庫版ではなくハードカバーがいい。


ちなみに堤監督作品は、深夜放送時の【TRICK】、連続ドラマ時の【池袋ウエストゲートパーク】、【Jamfilms】に参加した際の、タイトルは失念したが佐々木蔵之介が出演した作品は好き。
あと優先度が低く原作未読なので、【デトロイトメタルシティ】も観ない予定。

Jam Films [DVD]

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堤監督作品は、天井が低い。
行定勲監督が冴えていた頃の作品が好き。
おっぱいバレー】の出演が決まっている綾瀬はるかは、この頃から既に豊満なバストをアピール。