わが街の映画〜コンビニだらけの街で〜

最近よく拝読させていただいている要注目作家の深町秋生先生のブログで、「自分の街を歩いていると、なんだか90年代のイギリス映画みたいだなあと思った。」と書かれていた。

人によって街の風景から捉えるものは違うとしても、写真付きですごく伝わりやすく、「ほほう」と思った。

http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20080916

自分はもう長年今住んでいる東京の郊外の街を離れていないため、当然地方から来ている人はいても、あまり周囲に東京以外に住んでいる人がいない。

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以前【天然コケッコー】を観た時、夏帆の瑞々しい演技と出演者の魅力を引き出して、特に後半の絶妙な演出に感動しつつ、「島根って、本当にここまでなのかなあ」とも思った。

後輩に一人だけ現在島根在住者がいるけど、どこかの知事が書いた書籍に洗脳されてしまい、それはまだしも男子のくせして「カットゥーンだと中丸君だよねえ」とかmixiに書いたりしてる一面が昔から全くもって相容れないために、現在音信不通。mixiやめちゃったけど。全く、僕も軟弱者だろうけど、「もう重症だから、早いところイースタン・プロミス観に行ったほうがいいよ」くらいの、ちょっと押し付けっぽいけど先輩としてのアドバイスはしてやるべきかもしれない。僕は中丸ナニガシ氏を良く知らないけど。

話が逸れた。

もちろん渡辺あや山下敦弘視点の島根像で、「ここまでじゃねえよ」とか「まさしくこうだ」って色々いると思うし、たとえ過剰な表現であったとしても、すごく丁寧に作られた映画だから、そう思わせる魅力があると思う。まあ島根県人の過剰な田舎人っぷりを伝えることが目的の映画でもないとは思っている。

当然観る側や作り手側で捉え方は変わることはあっても、せっかくブログをやっているので、「私の街はまさしくこうだ」とか意見を聞きたいなあ、と思っている。

職業に関しても。

今年の作品で僕の中で最も、縁遠い職業の「実情」を捉えた作品に【休暇】という作品がある。主演は小林薫西島秀俊

死刑執行に携わることとなった刑務官たちと、死刑囚を描いた作品。

新しい家族との交流の時間を持つ為の長期休暇を得るために、執行役に自ら立候補する小林薫
その同僚の大杉漣、新米の柏原収史、あと名前がわからないが原田芳雄をさらにやさぐれた雰囲気にしたような俳優さん、そして死刑囚役の西島秀俊。この人たちの演技があまりにも素晴らしい作品。

僕の周囲には結構特異な職業の人もいるけど、さすがに刑務官はいない。
当然死刑云々はかなりグレーになっているので、なかなか容易に知ることも難しい。

だからもしかしたら、上記の人たちとは全く異なる感覚を持って働いている刑務官の方もいるのかもしれない。
けどあまりに丁寧に力を込めて作られているため、実際もそうだと思わせる魅力がある。

話が回りくどくなった。文才がないなあ・・・

だから1つの視点として、「僕の職業はまさしくこうだ!」という映画や小説の意見を聞きたいなあ、と思っている。

聞きたい聞きたいばかり言ってるのも何なので、自分からも。

地元の友人も「仕事の都合等(フリーランスが多いためか)」などで更に都心部に引っ越し、不便なのか便利なのか良くわからない、ひたすらコンビニばかりできる(こんなにあっても、徒歩でも苦もなく行ける距離に全て異なる店舗が四つもある。競争に負け閉店した酒屋からコンビニに鞍替えした店舗跡地はずっとそのままだ)この街に暮らすのは、あくまで僕の友人界隈では、同じ地域の出身者同士で結婚する友人か、池袋か新宿なら乗り換えずに行けるから特にこの街でも何の問題のない人か、両親から引き継いだ家に暮らす僕だけになってきた。

最近何故か殺人事件が連続して発生したけど、思い出すだけでも数年前に「人間の大量の血液がビニール袋に入れられてゴミ箱に捨てられていた」くらいのことしか起こらず、それで家にワイドショーの取材が来て話題になるくらいで、僕は「それ、どこかの病院が輸血用血液捨てたんじゃないか?騒ぐほどのことか?」と思うくらいで、特に魅力も街の個性も他の街との違いも、何も感じなかった街が、去年映画の舞台になった。

それ程の大ヒットにはならなかったみたいだけど、もしかすると「この街に住んでいる人(特に児童)なら、仮に映画に興味がなくても作品名だけは知っているんではないか?」とさえ思うほど。もはや街の映画。
なぜかというと、新聞のオマケで付いてくる小冊子でも紹介され、公開終了後も公民館では上映されて、今年の夏も親子連れで賑わっていた。レンタルビデオ屋ではヒット作の看板と並べられて入り口にデンッ!と看板が、今でも置かれている。若い頃僕のハートを射止めた哀川翔(限定ポスターも所有)が出演しているのに、どう勇気を振り絞ってもいまだに観る事ができない【クロサギ】なる作品の看板を押しのける勢いだ。
それこそ宮崎駿監督が近所の小金井市のキャラクターデザインを手掛けたように、わが街も原恵一監督がやってくれるのでは、とすら思っている。
子供の頃【となりのトトロ】を小学校の上映イベントで始めてみた(歳がばれそうだけど)。あの時僕が味わった感動を今、僕の街の小学生がこの作品で感じてるかもしれない。

長年住んている者としては、「この街を舞台って?」と思っていたけど、そのあまりの「再現」ぶりに心底驚いた。複数回観ているけど、母と観た時は母も実写のような再現ぶりに驚いていた。
あの駅の中の店の並びや雰囲気、川沿いの道、終盤クゥを届けるために向かう駅がちょっと移動しただけで急に田舎びた感じになるところとか、本当にそのまんま。徹底した取材をしたことが伺えて本当に凄い。

何だか、この街が好きになった。

僕が住む街の風景が知りたい人は、どうぞ。いるかどうかはわからないけど。

学生の頃は似たようなことをやっていたから、観光は好きではないけど、いずれ自分が興味をもった映画や小説の舞台となった地域に行ってみようと思った。

追記

ちょっとした疑問

消費税上げ議論、3年凍結
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080922-00000138-jij-pol

三年後には違う人が総裁になっている気が(以下自粛)